本日はレジンカウンターの製作の様子のご紹介です。
本日ご紹介するレジンカウンターはなんと全長約18m!!
非常に長さのあるL字レジンカウンターです。
九州の空港の飲食店様へ納品するレジンカウンターの製作に移ります。
製作後半の写真はこのようなデザイン!
2分割のL字カウンターとストレートのカウンター、合計3枚に分けての納品となります。
この度は九州の銘木店様からの持ち込みのイチョウ一枚板になります。
事前に詳細調整させていただき、届いた一枚板がこちら!
デカいですね~
長さも幅も異なる一枚板をはじめにご紹介したL字のリバー状のカウンターへデザインかけていきます。
通常のストレートがかわいく見えるほど、今回のL字の難易度の高さ感じて頂けます?
L字の合わせはまずは全体像を把握して、大まかなライン出し、細かな作業、大まかなデザイン、細かな作業と
ミクロとマクロの両方を交互に確認工程進めていかないときれいな仕上がりにならないため非常に難しいんです。
一枚板だけのカウンターと比較し、難易度劇的に上昇しますので、この作業をできるところ国内を見てもほとんどないと思います。
九州からご依頼いただいたのもそのような経緯があると思います。
更に持ち込みいただいている一枚板を使用しますので、レジン取り扱いのミスなんかあったら・・・
想像するだけでも恐ろしいです。
リスクはあるものの、九州から静岡へのご依頼をいただいた業者様のためにも完璧な仕上がりを目指します。
さてL字となると様々な工程が考えられます。
今回のL字は短い編でも2.8mあるのでトラックでの輸送が不可能なので現地でのジョイントが必須となります。
どこでジョイントを入れて合わせるかは非常に悩ましく、センスを問われる部分です。
レジンの合わせはきれいに実施しても必ずラインは分かりますので、それをどこにもっていき、どれだけ分かりずらくさせるのかが重要になります。
小難しいことはおいておいて、工程を見ながらRESIN SPACEの作業風景見てください。
この状態からL字に組んでいきます。大まかなラインで確認しながら、耳の角度を観察し、合わせる部分を見つけていきます。
銘木店様へは一枚板の長さの余裕はほしい旨お伝えしたので、長さのある状態でいただきました。
そうすることで一枚板の角度が近い部分を合わせやすくなります。
L字の内側も外側も耳を観察し角度が近い部分をカットラインへ選定します。
グラインダー・サンドペーパーで人工的に合わせればいいでしょ!
そう思うかもしれませんが、自然本来の動きやラインと、人工的に生成したラインでは全く異なります。
人間の目は優秀なので、一般の方でも人工的な手が加わりすぎると違和感を覚えます。
RESIN SPACEが目指す作品はあくまでも自然の美しさをデザインしたレジンカウンターです。
木とレジンを合わせただけの工業製品よりのレジンテーブルには絶対にしません。
木に失礼です。
木本来の美しさを持つ銘木をシッカリ観察し、合わせていきます。
仮合わせしたら最終ラインをここで確定させます。
長手方向も
短手方向も少しの角度のズレで大きな長さのズレになるためシビアな作業が続きます。
ズレを起こさぬよう、されどずれが起こる前提で作業を進めます。
耳の角度の合わせの重要性がわかる画像です。
仮合わせのラインではこれだけのずれがあります。
そしてこのずれを削る必要があるので自然のラインが変わります。
更に大きな前提条件として、ストレート2枚のレジンカウンターを製作して斜めにカット、斜めに合わせるなどの工程をとればこのような段差は必須です。
なるべくうまい工程をとっても合わせる部分は必ずズレるので、先ほどの写真程度のズレは必ずおきます。
世界的な納品事例を見てもそうですし、国内の他社製作でも同様です。
ですがRESIN SPACEは製作者の都合ではなく、お客さまの満足度にとことんフォーカスしますので、仕上がり重視の工程をとりますので、L時に組んでからレジンを流します。
その為木工加工でL字をバッチリ合わせていきます。
左側のラインが最終ラインの予定ですが、一旦仮合わせの内側のL字部分です。
大きなずれはないのですが、
この部分、銘木店様より若干耳の手入れでグラインダーが当たってる部分がありました。
このような部分が木目が耳部分に入ってきてどうしても好きには慣れない部分です。
今の状態では違和感が少ないですが、レジンが入ると変わるんです。
その部分を外し、木本来のラインを合わせます。
45度正確に、まっすぐにカットしこの合わせとなりました。
長さのある状態でいただけたので、自然のラインにもかかわらずこのようなほぼ同じ角度で合わせられました。
全板のラインどり、カットも済ませ、ライン出しの確認もできたので合わせを整えます。
最大限自然のラインを残し合わせます。
これが・・・
こうなります。
こっちの角度も、
正面からもばっちりです。
L字の内側は更に調整が難しいです。
木の角度が一番近い部分をカットしてもこのズレは必ず生じます。
この微妙なずれも時間をかけて、
このようにバシッと合わせます。
耳も自然の様子をしっかり残しながら、剥離が起きないような加工をします。
通常このような意識を持って加工する製作所は少ないと思います。
レジンカウンターには木とレジンを合わせることでの剥離リスクが必ずありますのでその対策は必須です。
その加工ののち、クリーンルームへ移動してレジンの流し込みの準備をします。
このクリーンルームは製作工場とは全くの別の場所で独立した棟の建物です。
自宅から徒歩圏内に専用施設を建てていますので、真夜中でも確認しにいき、レジンの様子を3時間おきの確認は必須にしております。
他社では一枚板の持ち込みは失敗が絶対できないリスクの非常に高い製作です。
お客様からお預かりした一枚板でのレジンテーブル製作で、レジンの硬化異常が発生したらとんでもないことです。
ですがレジンは非常にデリケートな素材で少しの温度、厚み、幅、長さ、湿度、埃、虫、時間が理由で
仕上がりに異常をきたすことがございます。
作業員としての意識なら確実にどこかで油断があり、失敗があるはずです。
RESIN SPACEでは代表デザイナーが全ての責任をもち、レジンの全ての管理、作業を実施します。
夜中だとしても、代表デザイナーが確認して、温度異常がないか等確認します。
代表デザイナーにとってレジンテーブルは仕事ではなく、人生の一部です。
そんな私にレジンテーブルを依頼いただいたお客様をがっかりさせる製作なんて絶対にしたくありませんので、
私の人生をかけて、RESIN SPACEチームのプライドをかけて最高品質を目指します。
レジンの調整を実施した後は、レジンを流し込みます。
優しく、優しく・・・・
なんてのは意味がありません。
流しこみ時に発生する規模の気泡は時間と共に抜けます。
抜けないのは本当に細かなレベルの気泡になります。
これも各作業段階の温度管理を徹底した先にある前提なので、DIYの方はゆっくり流し込んでくださいね。
完璧な流し込みの状況です。
硬化も一切の異常なく、完璧な硬化となりました。
まずストレートの4.8m完了で一安心です。
次はメインのL字カウンターを製作していきます。
L字で流しこみまで実施します。
流し込みでL字カウンターの接続加工を実施します。
カウンター裏・断面では非常に細かな作業の結晶が詰まっています。
長辺4,8m
短編2,8mほどで流しこみます。
細かな細かな、部分を考慮して、一つ一つ丁寧に準備して流しこみます。
流しこみ自体は誰でもできますが、その事前準備は木のことを熟知し、レジンの特徴を知り、レジンにて発生する木への影響を多くの経験から考慮し、今回の作品がより美しく仕上がる事前準備をします。
経験値とは失敗。
失敗とまでいかなくても異常状態をどれだけ経験したかがその製作者の腕です。
RESIN SPACEでは国内トップクラスの製作数、代表デザイナーは国内一番レジンテーブルを製作・納品してきた職人ではないでしょうか?
多くの経験のもと、今回のイチョウの木をより美しく見せる製作をします。
L字は独特の留意する点があるんです。
結構繊細な製作ですよ。
サイズお大型のため、かなりのレジン量を流し込みしていきます。
硬化完了した状況ですが、バッチリの硬化状況です。
このL字で感じたのが、同じ樹種でも個体によりレジンを流し込んだ時の表情や発生する状況が異なります。
イチョウや、一枚板と一括りにできない、個体によりそれぞれの個性がありやっぱり木って面白いなって思います。
その分難しいですが、木の性格をより知っていこうと思わせてくれた木でした。
テーブルから剥がすのの緊張しました。
このままではどんなトラックにも乗らないので、打ち合わせの通りカットします。
カットすることで木目のずれが起きやすいですが、
カットするラインは極力動きのない部分をデザイン時に合わせています。
このラインでしたら丸鋸分2mmほど欠損してもピッタリ合います。
全体の角度やきの動きを考えながらここまで構築するのはやってて思いましたがそれなりの、能力が必要だなと感じました。
記憶力はそこまで自信はありませんが、空間把握・思考力には自信があります。
自分の得意分野をシッカリ生かしながら仕事していきます。
断面を見てください。
木の耳とレジンの境目の部分の木が黒くなっているのがわかると思います。
木がレジンを吸っている証です。
このレジンの吸いが剥離を防いでくれます。
細かな作業・工程があるからこそのの現象です。
こういったこだわりがお客様の数年後の悲しさをなくします。
硬化後はワイドサンダーにかけていきます。
レジンは研磨により割れますので、少しずつかけます。
綺麗に行ってらっしゃい!
写真では一気に完了してしまいましたが、実際にはすごく何度も何度も同じ工程を進めます。
綺麗に完了しました。
この工程をI字、L字と共に進めます。
更に今回L字の方はカットを事前に実施しました。
プレナー(回転するカンナのような機械)・ワイドサンダーをかけるとき、裏表2枚を全く同じに書けます。
全く同じではそれもまたズレますので、天板面をしっかり確認し微調整します。
作業後半の写真ですが、そうすることで完璧な断面が完成します。
その後L時の2枚のジョイント加工します。
天板面の裏側から、
見えない部分も丁寧に加工進めます。
ジョイントには様々な方法がありますが、シンプルかつ強固に固定できる方法で実施します。
まわりが暗くなるまで時間がかかりましたが、完璧な仕上がりです。
天板面の細かな節にも追いレジンしていきます。
この追いレジンにはデメリットの側面もありますが、そのデメリットを発生させない為に工程を多くとっております。
L字の合わせ完璧です。
ご依頼主様、お施主様、使用するお客様皆さんの満足度のために最高の仕上がりを目指し妥協ない工程を進めていきます。
他にも複数の作品を進めながら、RESIN SPACEチームで進めていきます。
今回はあまりにも忙しすぎて、また納期を早めるご依頼も入り、チームで土日も作業にあたり研磨作業を一気に進めました。
他のお客さまの作品も多くご依頼いただいているため、すべての作品にそれぞれの製作ストーリーがありますので、個別にご紹介しますね!
遠目から見るとどこがあ合わせのラインかわからないですよね?
近づいてもほぼ分かりません。
レジンのカットラインが現状では分かりますのでレジンのラインを見れば一目瞭然ですが、
木のラインの差は一切なく、すごく良い仕上がりです。
近くで見ても分かりません。
割れの部分がカット面に来ましたが、そのつなぎ目も完璧にピッタリ合っています。
その後丁寧に丁寧に研磨進めます。
店舗用の作品は大型の為、複数人で取り掛かります。
研磨はすごくまじめにです。
一つの工程をさぼるだけで最後にその油断が仕上がりに現れ、その工程まで戻るため必ずすべて確実にです。
最終チェックはデザインーが必ず実施するのですが、そのチェックで引っかかるとその部分の修正が入ります。
その修正もすごく大変なのでみんな確実な工程で進めてくれます。
少しずつですが、最高の仕上がりに向けて進んでいきます。
また今回は九州の現地の方にジョイント施工を実施していただくため、その指南書の資料の製作もします。
このサンプルのレジンテーブルをカットします。
この作品でのジョイント加工、現地合わせの工程を資料にまとめ、提出しております。
私たちではなく現地の方でも実施できる方法で工程を組んでおります。
更に今回は今までのジョイントより難易度が高く、クリアレジンでのジョイントとなるため、より高い精度になるための研究も実施しました。
ジョイント資料様に使用した後、ジョイントに使用するものはどんなものが良いのか、
合わせてはカット、併せてはカットを繰り返し、ジョイントに関わる〇〇、〇〇、〇〇と多くの差をつけ非常に良いデータと経験値を得ることができました。
もちろんジョイントだけの工程を今回だけで20以上実施したので、合わせもかなりうまくなりました。難易度の高いジョイントを確立した方法と経験値により、高い精度で完成することができる用になりました。
イメージ的には実質ジョイントしている部分が少し離れればわからない程度です。
よーーくそこだけを意識して見れば分かるかな程度です。
店舗や大型施設など、搬入の関係上大型の作品でジョイントが必要な場合でも対応可能、より高い精度で完成ができます!
最後の仕上げに進むまで、一切手を抜けません。
研磨ムラが出ないよう、きれいな仕上げを目指します。
仕上げの透明感を出す工程が中程度完了した写真です。
RESIN SPACEではこの艶を出す工程は公開しません。
この工程を効率的に、より本格的に出すには非常に多くのテスト結果と経験知を反映させた道具を使用します。
写真で見てきれいに見えても、実際に見ると研磨レベルが不十分なところは意外に多いです。
私が見ると写真でもごまかしはききませんが、一般のお客様は写真だけでは判断できないと思います。
季節に応じても研磨の難易度は変わってきます。
その原因を把握し、その対策を実施して完璧な仕上がりを一年を通して完璧な仕上がりを達成します。
このレベルにまで研磨したらあとは仕上げのみです。
両サイドの木が無ければ何もないかと思うような仕上がりです。
これでも実際に見ると若干の研磨ムラがあります。
このムラを最後取り除き完成です。
今回の塗装はRESIN SPACEが研究の元たどり着いた特別な塗装を使用しております。
この塗装を他の塗装との使用テストのデータと写真を撮ったのち、皆様に公開します。
その情報は近日中に公開しますのでお待ちください。
レジンテーブル向けの非常に強固かつ自由度の高い塗装です。
店舗等の使用頻度が高く、メンテナンスが難しいカウンターには最適です。
その塗装を実施した作品がこちら!
お預かりしたイチョウとクリアのレジンが最高の組み合わせのイチョウレジンカウンターです。
高級感のある仕上がりで圧倒的な完成度です。
L字の部分も宙に浮いているかのような、レジンを知らない方にはインパクトのあるカウンターです。
空港で搭乗する前にふらっと寄った飲食店がこのカウンターだったら度肝を抜かれますよね!
この上にコップを置いたお客様が、
「宙に浮いているみたい!!」と言っていただけるのが目に浮かびます!
ジョイント部分はある理由で塗装はしておりません。
ここには様々な技術を込めた施工をしております。
バシッと決まったジョイント部分!
この工程なら、運搬も、最後の仕上がりもすべたがバッチリです。
現状はカット面のラインが分かりますが、現地での作業後はこのラインもほぼ分からなくなります。
パッと見わからず、横から見れば完全にわからず、真上から近くで見れば分かるなという感覚です。
このジョイント時のサンプルも製作しておりますので、製作ご検討中の方はそれも含め倉庫で打ち合わせさせてください。
2024/10に製作しましたので、数年後のご検討依頼の場合はその経年変化も含めてご検討いただくことが可能です。
RESIN SPACEでは長期的な美しさを重要事項にしておりますので、今すぐご依頼いただきたい方も安心してお任せください。
この完璧な仕上がり、大満足です!!
今回の製作には非常に困難が伴いました。
正直一枚板のみのL字カウンターと比較し比べ物にならないほどデザイン時に神経を使ったこと、
私たちが完結ではなく、現地の方の作業で完結するために、作業重度を考慮しながらの工程作り、
L字の完成度を上げるための工法、ジョイントの再研究、
納期を急遽早める様、ギリギリの工程管理等、
通常の製作をはるかに超える難易度の製作となりました。
そういった中、通常の製作よりはるかに超える経験値の上昇・能力の向上がありました。
RESIN SPACEチームというより、代表デザイナーの能力向上を私自身非常に感じております。
多くの経験を詰め、最高の仕上がりで完成でき、お客様には感謝申し上げます。
レジンカウンターに適切な一枚板を多く在庫に保有しておりますし、住宅や店舗へのレジンカウンターの施工件数も多いですので、不明点はお気軽にご相談ください。
あなたにとって適切な、最高のレジンカウンターやレジンデスクご提案させていただきます。
気になる方は、お気軽にご相談ください。
よろしくお願いいたします。