このページではレジンテーブルの塗装に特化した解説をしています。
レジンテーブルは通常の一枚板とは異なり、塗装方法とレジンという透明度のある素材との掛け合いで様々な特徴があります。
このページでレジンテーブル検討時に塗装について学んでみましょう!
当然ながらレジンテーブルにとって塗装は非常に重要になります。
このページではレジンテーブルの「水しみ」という部分にフォーカスした解説をし、RESIN SPACEが見出した答えをお伝えします。
実際に多くの時間をかけてテストしておりますので、その結果も下記にまとめております。
レジンテーブルをオシャレに使用したいけれどめ細かなメンテナンスはやだなと思う方は、是非このページを最後までご覧ください。
ウレタン塗装とオイル塗装の違い
まずはウレタン塗装とオイル塗装の違いを把握してください。
一枚板・レジンテーブルへの塗装は大きく2つ、オイル塗装とウレタン塗装です。
オイル塗装とは植物性のオイルなどのことで、木材へ「浸透」させ木材内部で撥水性を確保するもので
ウレタン塗装とは木材の表面で『塗膜』を形成し木材の表面で撥水性を確保するものです。
分かりやすく図で見てみましょう!
このように木材内部にオイルを染み込ませて撥水性を確保する塗装です。
図のように中心部までは入りませんが、木材の内部で塗膜を形成します。
メリット・デメリットも下記の通りです。
次はウレタン塗装です。
ウレタン塗装は表面を薄い膜で覆うというものです。
表面を塗膜で完全にコーティングしますのでオイルとは異なる特徴になります。
ウレタンをレジン部分へ塗ると艶消しの印象になるため艶消しの印象を求めている方にとっては良いのですが、
レジン部分にクリア度合いを求めている方にとって大きなデメリットです。
特殊な方法で木材部分へのウレタン塗装は不可能ではありませんが、木の動きの制限があり、汎用性がありません。
そのためRESIN SPACEが目指すのは一枚板の魅力を最大限に生かしたレジンテーブルです。
それには木の動きを表現したいし、使うお客様にも感じてもらいたい。
RESIN SPACEでは透明度あるレジンを基本としますので、塗装も木材内部へ浸透させるオイル塗装を基本とします。
RESIN SPACEが見出した塗装の選択肢
RESIN SPACEでは常に塗装の研究を続けておりました。
その中で木材内部で強固な塗装を形成できないかという点です。
レジンテーブルは美しく、家具の中で最高峰の高価な家具となると公私共に忙しいご家族がご購入、使用いただくようになります。
ご家族でメンテナンスしながら大事に使っていきたい方もいる反面、メンテナンスに時間をかけたくないし、自分ではやりたくない!そう思う方も多いと思います。
そんな方のために研究し完成したのが
『Rウレタン塗装』です。
木材内部で塗膜の強いウレタン塗装を形成します。
図でいうと下記の通りです。
オイル塗装と同様、木材内部で塗膜を形成するため、木の表情を損ないません。
またウレタン同等の水シミへの対応の強さがあります。
塗装は難易度が高く、レジン部分の再研磨など非常に工程数が多いのですが塗装としては非常に優秀です。
そんなRESIN SPACEが求めていた塗装がラインナップに追加されました。
木材浸透系の塗装はどの塗装が水シミに強いのかテストしていきましょう!
浸透性塗装 実験!
それではその状況を踏まえて実験していきますので、その結果をご確認下さい。
テストは水シミが目立ちやすいブラックウォールナットを使用して実験していきます。
昔から標準的な通常オイル、撥水性の高いオーディーズオイル、ガラス塗装、
さらにRESIN SPACEが独自の研究により辿り着いたRウレタン塗装を実装し実験していきます。
この天板に対し水シミの実験を繰り返し実施します。
水を垂らし回数を重ねるごとにより重度をあげ、負荷をかけてその差を確認していきます。
水シミテストの前提条件として
食事の時間を2時間として同じ場所へ濡れたコップをおく
夜通し濡れたコップを置いたとして8時間濡れたコップを置く
乾燥するまでテーブルを濡れた状態にした
上記の通り通常使用の環境下であり得る状況を再現していきます。
通常の使用では様々な場所へコップを置くかと思いますが、今回の実験では全く同じ場所へ置き、より水シミが発生しやすい状況とします。
外気温は、実験期間は9月から11月の外気温で実験しているため、15℃〜30℃前後の気温下での実験となります。
塗装はメーカーが推奨する方法に即した塗装方法、時間の放置を実施しております。
また、今回の実験に一切のやらせ、負荷の差はございません。
お客様にとって純粋に為になる実験を実施しますのでご了承ください。
まず初めに水を垂らし確認してみましょう。遠目からは全ての塗装で水を弾き、良い撥水性があります。
通常のオイル塗装は十分な撥水性があります。
オーディーズオイル塗装ではより弾きが強く感じます。
ガラス塗装も同様に強い弾きを感じます。
Rウレタン塗装も同様に強い撥水性を感じます。
初期の確認ではどの塗装も十分な撥水性がございます。
各企業が開発した塗装ですので当然です。ここから負荷をかけて水シミの確認をしていきます。
実際にダイニングテーブルで使用する環境下を再現していきましょう!
コップの外側を十分に濡らし2時間放置します。その後にテーブルを拭き上げます。
それでは実験していきましょう!
濡れたコップを置き、2時間放置します。
5回実施をしましたが見た目上大きなさはありません。
触れると通常オイルはざらつきがあ出てきた印象になります。
見た目での変化がなく表面の撥水性に若干の差を感じましたので、斜めにして、水の流れ具合を確認し撥水性を確認していきます。
初回と同様水を垂らします。
その後少しだけ角度をつけて水の垂れ具合を確認していきます。
角度をつけた直後です。
角度をつけてすぐに撮影しましたが、Rウレタン塗装は直後に水が流れ落ちました。
角度をつけて30秒たった状況を確認してみましょう。
「通常オイル塗装」は水がまだ残っています。触った感覚はざらつきがあります。
「オーディーズオイル塗装」は水が全て垂れました。最後の淵に少し水滴が残っていますが、水を置いた部分からは全て流れ落ちています。
触り心地は木の感じがあるが、しっとりとした感覚があり、木材内部の強いオイルを感じます。
「ガラス塗装」も撥水性は強い印象だったのですが、コップで濡らすことを繰り返すうちにザラつきが発生し、写真のように水が天板面に残っています。
「Rウレタン塗装」は完全に水が流れ落ちました。
触った印象は木の質感を感じながらもサラサラした印象です。オーディーズオイルのしっとり感とは異なり、木材内部でサラサラとした塗装があるなという印象です。
以上の結果を踏まえて、2時間程度同じ間に濡れたコップを置く程度では全く差はありません。
この後10回まで実施しましたが、動揺に見た目上全く変化はありませんでした。
ここから実験の重度を上げていきます。
濡れたコップを置き8時間程度(夜22時から朝6時)放置します。
コップをどかした後はウエスでしっかりと拭き取ります。
この実験では初回は大きな差がありませんでしたが5回繰り返すうちに徐々に変化がありました。
このような結果となりました。
朝ウエスで拭き取ることを繰り返すうちに「通常オイル」と「ガラス塗装」のざらつきが強くなり、徐々に水シミが出てきました。
「通常オイル」はコップを置く位置にリングマークがつき、その周囲を含め薄くなっています。
「オーディーズオイル塗装」は全く変化がありません。触った感じも濡らしていない部分と全く同様で、水を垂らしても非常に強い撥水性を感じます。
「ガラス塗装」はコップを置き濡れていた箇所全体が薄くなっています。拭き取るたびにざらつきが強くなる印象でした。
「Rウレタン塗装」は全く変化がありません。触った感じも濡らしていない部分と全く同様で、水を垂らしても非常に強い撥水性を感じます。
この段階での結果は「オーディーズオイル塗装」と「Rウレタン塗装」は明らかに強い撥水性を感じます。
少しのシミも撥水性の変化も全く感じられません。
逆光でしっかり確認しても一切の変化はありません。
実験を継続していきます。
15回同じことを繰り返しました。
この段階で遠目からでもはっきりとした違いが発生しております。
まずは通常オイル部分はコップの〇部分だけではなく、まわりに広がった水の部分もシミになっております。
触れた感じもざらざらです。
一方オーディーズオイルは全く変化がありません。正直ここまで強い結果は予想外でした。非常に強い塗装を感じます。
一方ガラス塗装は想像以上に水シミが発生してしまっております。近年強い塗装として認知が広がってきたところでのこの結果は想定外です。
Rウレタン塗装は見た目、触り心地と全く変化がなく、非常に良い状態を保っております。
これだけ多くの不可を与えた状態で、撥水テストをしてみます。
初回同様水を乗せたのちに板を斜めにします。
オーディーズオイルとRウレタン塗装は初期と変わりない撥水性を保っております。
一方、通常オイルとガラス塗装は流れ落ちません。
オーディーズオイルもRウレタン塗装もコップの円に沿って水が少し残りましたが、触れた感じは変わらず周囲と同様です。
撥水性もコップの部分と周囲の不可をかけていない部分と同様の撥水性です。
オーディーズオイルも同様です。
次は更に負荷を増やし、水をたっぷり載せて乾ききるまでそのまま放置します。
経過観察中に雨が降り湿度が高い環境下で放置したため、乾燥までに2.3日かかったかと思います。
乾燥した結果がこちらです。
乾燥したというよりも木に水が染み込んだ印象です。
水が染み込むことで濡れた部分とそうでない部分の差がすべての塗装で発生しました。
表面の湿り気を拭くことでオーディーズオイルとRウレタン塗装はもとに戻りました。
通常オイルは一目瞭然。
オーディーズオイルは若干の変色がはじめありましたが拭き上げでほぼもとに戻りました。
少しの時間経過後は元に戻っております。
ガラス塗装は内部に染み込んでおります。
Rウレタン塗装は拭き上げることで元の状態に戻っております。
数日間水分が乗ることは非常に一枚板に負荷をかけることが分かります。
その後このテストを3度実施しました。
3日ほど濡れた状態×3度実施はほぼ10日濡れた状態を保ち続けるような状態です。
通常では発生しないレベルでの負荷をかけています。
水にオイルが染み出すなら十分な時間ですし、その後しっかり拭き上げしているため、染み出したオイルは確実に抜けていきます。
さて最終結果をご覧ください。
実験結果!
少し画像が暗く見えずらいですが、大きく実験結果が出ております。
遠目からでも通常オイル塗装とガラス塗装のシミが起きています。
アップで確認しましょう。
「通常オイル塗装」
はっきりとしたシミではなくうっすらとまだらにウォールナットの色が薄くなっております。また試験を繰り返す中で木全体を拭き上げる時、面全体を濡らし拭いておりました。それが原因かと思いますあが、全体的に色が薄くなっているのを実際に見ると感じ、写真でも伝わっているかと思います。
また乾燥するまで放置した実験では一気にシミを作りました。
「オーディーズオイル塗装」
濃いウォールナットの色味を保ちながらシミも一切発生しておりません。
多くのテストから木のざらざら感は増したように感じますが見た目上の変化は一切ありません。
この実験の後に何度かこの乾燥するまでの実験を繰り返しましたが全く変化なしです。
オイル塗装は水シミになりやすいという概念を覆してくれる塗装です。
ただアメリカのオイルであるため、近年塗料の高騰が起きており高価です。
「ガラス塗装」
シミが全体で確認できます。
少しの時間では大きな差は確認できませんでしたが、乾燥するまで放置の実験では一気に水シミが発生しました。
他の塗装より大きくシミが発生しております。
「Rウレタン塗装」
全体の色の変化なく、水の不可が大きかった部分にも薄くなるような変化はありません。
表面の触り具合も初めのサラサラした状態に変化はありません。
一枚板を多数扱っていた者からすると少し変わった印象です。木の質感は残ってはいるものの、ウレタン艶消しを触っているサラサラ感です。
これはシミにはなりずらいなというのが率直な感想です。
レジンテーブル塗装のまとめ
今回の実験により「オーディーズオイル塗装」と「Rウレタン塗装」の優秀さが確認できました。
水シミ以外の汚れ(醤油や色が付いた液体)は過去の実験からオーディーズオイルは変化なく、Rウレタン塗装はメーカーも変化なしをうたっております。
ですが2時間又は8時間での染み込みはありませんでしたが、3日間放置した場合木材内部に染み込みは発生しておりました。そのため白い木に醤油等を3日間乾燥するまで放置した場合はシミになる可能性があると今回の結果から考察することができます。
その為食事が終わったらテーブルを拭く。
仲間での宴会で放置してしまっても翌朝にはきれいにしてあげる!
これを徹底していただければと思います。
今回の結果からのオススメは「オーディーズオイル塗装」と「Rウレタン塗装」です。
テスト結果では非常に優秀な2つでしたので、どちらを選べばよいかわからないと思います。塗装自体の特徴をふまえ下記のアドバイスです。
オイルの抜けは特徴として必ず発生しますので、メンテナンスをしながらレジンテーブルと付き合っていきたい方は『オーディーズオイル』
基本的なメンテナンスはしたくない。または店舗などでの頻度の高い使用環境の場合、自宅使用でも手間をかけずにレジンテーブルと付き合いたい方は『Rウレタン塗装』
上記がオススメです。
RESIN SPACEの倉庫でレジンテーブルの倉庫見学をしていただけた場合、今回のテストに使用したサンプルを見て、触っていただくことが可能です。
また使用環境下に応じて適切なアドバイスさせていただきます。
RESIN SPACEでは今回の様に多くのテストを実施して様々な選択をしております。
このページだけではなく多くの実験結果やRESIN SPACEが目指す作品への考えも多数webにまとめているため是非ご覧ください。
よろしくお願いいたします。