本日は屋久杉一枚板を持ち込みいただきレジンテーブルとしたご紹介させていただきます。
数か月前にお客様より問い合わせがありました。
「現在両親が使っている屋久杉一枚板のテーブルを、レジンテーブルにしてもらえますか?」
との連絡です。
屋久杉・両親、というキーワードから、すでに難易度が高そうな一枚板であることは容易に想像できましたが、
RESIN SPACEでは持ち込みでの製作も承っておりますのでまずは詳細を確認させていただきました。
現在のサイズ・仕上がりのサイズ・一枚板の写真・その他ご希望を伺い、まずはお見積りです。
このような写真と、現状の寸法が把握できるものを送っていただき、見積もり出させていただきました。
価格感ご了承いただき、屋久杉一枚板を送って頂きました。
その屋久杉がこちらです。
実際に見るとすごくカッコよく、奥に綺麗な木目が隠れているのが分かります。
昔の仕上げ方で、厚い漆で塗装してあるのでテカテカした仕上げです。
この塗装だけで昔の仕上げを感じるものを、現代の最高級の家具に仕上げていきます。
実際に一枚板を見て、最終のデザイン案の提案をします。
多くの角度の写真を撮影し、PDFにまとめてお客様に送ります。
今回のお客様は鹿児島県のお客様であったためデータでの提案でしたが、実際に倉庫に来てデザインの打ち合わせすることももちろん可能です。
デザイン案の了承、最終的な価格をお伝えし製作に移らせていただきます。
※一枚板送っていただく前に見積もり送り、実際に一枚板を確認して最終的な見積もりとさせていただいております。ですが、今回のお客様もそうですが、事前の見積もりと最終の見積もりがほぼ誤差の無い見積もりを出しておりますのでご安心ください。
持ち込み頂いた一枚板を、まずは平面出しを実施し、裏表を研磨します。
この時点で、すごく良い屋久杉であるのが確定しました。すごく美しい屋久杉です。
ですが所々昔の仕上げ方を感じます。
まずは側面からカットしていきます。
カットすると、現代ではないモノが出てきました。
割れ止めに、木材内部に鉄のカスガイの様なものが出てきました。
私の知る限りでは仕上げでこのようなものを入れるのは知らなかったので、驚きです。
またこれで丸ノコの刃を傷め交換してます・・・
至る所から出てきましたので、想像以上に時間がかかりました。
持ち込み一枚板の場合はこういった予想外のことが起きるのはよくあることです。
そしてここからが、一枚板整えの本番です。
一枚板の漆を全て剥がします。
このような漆は、サンドペーパーで削って簡単に削れるものではないんです。
また、漆の塗料自体かゆくなる為、作業には気を使います。
漆をはがすには専用の塗料で剥がしていきます。
塗料で漆を柔らかくして、専用の工具で剥がしていきます。
この塗料が厄介で、少しでも肌につくと数秒で火傷したかのような痛みに襲われます。
気をつけながらの作業と、その塗料が残らないように、木材部分も丁寧に研磨します。
このように漆やウレタン塗装を残しておくと、完成後の木材部分とレジン部分の剥離に繋がるので、塗装剥がしは必須です。
こういった個別の技術力が必要な作業は、多くの経験がないと実施できません。
一枚板製作事業も別ブランドで進めており、多くの一枚板オーダー製作を日々こなしております。
木に精通した、少数精鋭のRESIN SPACEの職人チームだからこそできることです。
全ての漆を取り除いたらレジンの流し込みの準備です。
綺麗なアクリル板の上に流し込み準備を実施します。
クリアルームで、埃などが入らない特別な空間で流しこみ準備を進めます。
どうですか?
綺麗に漆が、全て剥がれていますよね?
側面の美しさも演出できるよう、絶妙なラインでカットしてあります。
元のシルエットや動きは大事に残しながら、レジンに必要な木部の加工はしっかり完了していますので、
レジンの流し込み準備を進めていきます。
今回はdarkⅡクリアとdarkクリアでレジンを流しこみます。
まずはクリアの状態で、綺麗に撹拌します。
レジンは完璧な撹拌をしないと綺麗に仕上がりません。
通常の撹拌より1工程多く実施して、よりきれいに、より確実にレジンを混ぜていきます
その後着色していきます。
個のレジンの色の出し方こそ、製作者によって異なる出し方をします。
RESIN SPACEではレジンの色出しは確実に代表デザイナーのFujiwaraが実施します。
色の出し方はとても奥が深く、一枚板が真ん中にあるか、リバーテーブルのように木材が側面にあるかで見え方が変わります。
また、床面が黒系か白系かで大きく見え方が変わりますので、RESIN SPACEでは床面の色味も確認します。
簡単なようで、お客様それぞれのオーダー品でベストを製作するために全集中で色味を出していきます。
色が完了したら、流し込んでいきます。
ただ流し込みます。
一枚板にレジンを吸わせるようにしていますので、通常より多くレジンが必要になります。
その分レジン部分と一枚板の剥離リスクを下げることができるので、繊細に観察が必要になりますが、丁寧に進めていきます。
流し込み完了してから、1週間ちょっと。
時間をかけて硬化させます。短時間の硬化と時間をかけて硬化させるのではレジンの質が違います。
分子レベルできれいに硬化させるには、ゆっくり徹底的な温度管理を実施しながら硬化させます。
硬化中は完全に一定の温度で、ごみや気泡を確認しながらゆっくり、ゆっくりとです。
そうして硬化したレジンは非常にきれいです。
屋久杉も喜んでいるような、きれいなレジンです。
型枠から外して研磨機にかけて平面を出します。
きれいに面は出るのですが、流し込み時にはなかった空洞が、研磨することで一枚板の内部から出てきます。
この部分を普通の木工での補修ならばエポキシの樹脂に木の粉を混ぜて補修するのですが、
RESIN SPACEのレジンテーブルはこの部分にもレジンを入れ込み、最終の仕上がりを私が欲しい最高の状態にしていきます。
私は仕事だから工期優先、コスト優先なんてことはしません。
「私だったらこんなクオリティーで納品してほしい」
一枚板やレジンテーブルが大好きだからこそ、自分自身が欲しいクオリティーを、お客様にお届けできるよう一切の妥協はしません。
レジンテーブルは非常に難易度が高い加工で、新しく入った職人に「これくらいでいいですかね?」
と聞かれます。ですがこれくらいでいいかなと思うということは、どこかで自分のクオリティーに納得いっていないから出る言葉であり、そういう感覚なら数工程戻りやり直そう!と伝えます。
「これなら完璧!!」
そう自信をもって製作代表・代表デザイナーが納得いくクオリティーを全員で作り上げます。
この工程もふつうはやりません。
レジンを出てきた空洞に入れると天板面のムラになり、仕上がりが若干落ちます。
デザイナーのFujiwaraはそれでは自分の欲しいレジンテーブルのクオリティーにならないので、全面にレジンを乗せます。
これをやることで天板のムラをなくすだけでなく、+aの効果があります。
それは内緒です。
お客様にとって大きなメリットになる部分です。
その後研磨を進めていきます。
ただひたすら研磨します。
細かな研磨残りもないように丁寧に進めます。
最終的なレジンの完璧な透明度を確立させ、塗装を実施します。
今回は撥水性高く、かつメンテナンス性の良いオーディーズオイル塗装を実施していきます。
塗装後倉庫で写真撮影しながら最終チェックです。
持ち込みいただいた時の一枚板から、この屋久杉本来の美しさをレジンとともに引き立てました。
両親が大事にしてきた屋久杉のカッコよさを最大限に活かし、レジンで使い勝手を向上させました。
れじんで向上させたのは使い勝手だけではありません。
一枚板の魅力をより引き立て、高級感を大幅に引き上げてくれました。
天板面だけではなく、断面も最高にカッコいいです。
気泡だらけになることなく、ゆっくり硬化させたので、側面にもすべての部分にレジンが入り美しくなっております。
この屋久杉本来の細かな木目もすごくカッコいいです。
さすが樹齢500年以上の屋久杉です。
持ち込みいただいた時の一枚板がこんなレジンテーブルに変わった姿を見るのは、お客様も喜ぶだろうな。
仕上がりは完璧!!
そういう思いで納品させていただきました。
設置完了し、うれしいご感想と設置写真いただきましたので、ご覧ください。
H様
この度は屋久杉をレジンテーブルへの変更ありがとうございました。
新宿でレジンテーブルを見てからレジンに惹かれ憧れましたが、両親が大事にしていた屋久杉一枚板も大事にしたい思いもあり、この屋久杉をレジンテーブルへの変更を検討しました。
他社にも聞きましたがこのような依頼を受けてくれるところはなかったですが、RESIN SPACEさんは写真や電話でやり取りし、快くOKたいだきました。
製作の様子も紹介いただき安心できますし、何より納品されたレジンテーブルは完璧です。
レジンの色や木の美しさ、段差のない仕上がりどれをとっても完璧です。
ブラックでの透明度を調整していただいたので、この屋久杉の動きがよりかっこよく感じます。
両親も非常に喜んでおり、大事な一枚板を美しいレジンテーブルに仕上げていただきありがとうございます。
決して安価ではありませんが、納得できる仕上がりで、RESIN SPACEさんに製作いただき本当に良かったです。
うれしいご感想ありがとうございます。
ご依頼いただいたお客様に喜んでいただけるのはもちろんうれしいですが、実際にこの一枚板を数十年前に購入し
数十年と長い月日を過ごしてきたご両親に喜んでいただけたのが、何よりうれしいです。
きっと購入時、いろんな思いがあったと思います。
数十年この一枚板と過ごして、多くの家族との団欒がこの一枚板を中心にあり、数えきれない思い出があったと思います。
そん思い出を新たな新居で使用いただけるのは、私もうれしいですがご両親はその数倍うれしいのではないでしょうか?
またそんな大事にしてもらえている屋久杉も喜んでいると思います。
多くの思いがつまった一枚板を、RESIN SPACEはレジンテーブルへ製作することが可能です。
思い出を次の世代へ引き継ぐお手伝いをさせてください。
持ち込み一枚板をレジンテーブルへ製作したい方は
お気軽にお問合せタグよりご連絡ください。