本日はL字レジンカウンターの製作状況とレジン看板の製作の様子のご紹介です。
最近は大型のレジンテーブルや普通のテーブルとは異なるアートに近い製作の案件もいただいております。
レジンの知識・技術・経験が増えるほど、レジンの取り扱いの難しさを感じますが、それと同時にレジンの可能性を感じます。
レジンテーブルという通常のダイニングテーブルだけではなく、「レジンテーブルってこんなこともできるの?」と新たな可能性を広げていきたいと思います。
今回のレジンカウンターも非常に斬新なデザイン!L字のレジンカウンターです。
過去にもご紹介させていただきましたがポプラにて長物のレジンカウンターのオーダーを頂きました。
倉庫で多くの在庫の中から選んでいただき、一緒にデザインさせていただいております。
写真ではあ伝わりませんが、実はこの一枚板がギンギンに反っているんです。
このまま平面を出したら木がなくなっちゃく程激しく反っています。
このような時にも活躍するのが高周波プレスです。
含水率の調整をするために実施するのですが、今回の様な反りも直してくれます。
平面の上にのせるとこれだけ反っています。
時間をかけ少しずつ高周波を当てながら平面にしてくれます。
細胞を壊すのではなく、柔らかくしながら平面にしてくれますので、木の特徴が変わるわけではありません。
含水率も瘤だらけですのでムラがありましたが、全体を通して均一になっております。
このように平面・含水率の調整をしてからの製作開始です。
このようにしっかり一枚板の調整をするのもレジンテーブルの私が言う高いクオリティーの一部です。
このような管理の部分も最近ネットに上がっている安価なモノとは大きな差があります。
お客様のhappyに応えるため妥協なく製作に進んでいきます。
この度の一枚板ですが、個性が強すぎます。
w2500mmという長さがあるもので個性が強いながらも、お客様のご要望のd320mmの幅の中に動きが収まっており、カウンター向けの一枚板です。
取り付け部分や全体のデザインを考慮しながら、最終の微調整をしていきます。
実際にお客様とデザインしたラインを大切にしながら、私のセンスを混ぜて最終ラインを決めていきます。
この動きのあるものをL字に合わせ、かつきれいに仕上げるのは非常に難しいです。
まずどの工程を取るのかという部分で最終のクオリティーに大きくかかわってきます。
通常このようなL字カウンターを製作するとなると3つのパターンが考えられます。
①接続面が合うようにデザインし、2枚のカウンターを後にL字に接続。
②接続面はすべて木になるようにデザインし、長短の2枚を仕上げた後にL字に接続。
③L字の型枠にすべてデザインして配置、流し込み実施し仕上げる。
ご依頼いただいた時点でこの3つの工程を考慮しましたが、ます①はありませんでした。
シンプルな動きの一枚板なら問題ないですがここまで動きのある一枚板の動きをレジンを流し修正できない状態で合わせるのはかなり難しい。うまく調整しても少しのずれは発生してしまいます。
かつ、L字にするにはレジン部分をカットして合わせますのでL字の曲がる部分の接続面がはっきりラインになってしまいます。
難しくいってしまいましたが、簡単に言うとレジンの部分がきれいに仕上がらないんです。
②もデザイン的に私の中では納得できませんでした。
③は最高で納得いくデザインに仕上がる!ですが、製作途中に破損するリスクがあるため製作にとても時間を要します。
私は迷わず、時間も手間もかかる③を選びました。
③の場合サイズ制限がありますが、今回の場合は問題なかったので③としております。
③を選択しデザインは妥協しないといってもこれだけ動きがある一枚板で綺麗に合わせるのは至難の業です。
これだけ動きのある耳をどこで合わせるのか非常に難しいです。
倉庫見学時既にイメージはできていたのですが合わせるまでは気が抜けません。
どこの部分が動きが合うのか時間をかけて確認していきます。
これだけ特徴のある部分で動きを合わせるだけではなく、木目もみて、全体的なデザインも考慮しながら決めていくと時間がどんどん過ぎていきます。
多くのことを考えデザインしここに決まりました。
3パターン程案はあったのですが、合わせ・木目・動き・シルエット考えた時にここしか考えられませんでした。
しっかり最終確認してから加工に移っていきます。
現状でこのように合わせても厚みを調整するとまた少し変わってきます。
厚さの調整時にも多くのことを考えて製作しております。
厚みを調整することにより変化する部分を見ながら最終的なデザインを決めていきます。
耳の動きや天板面の動きが変わります。
ここは適当にやれは簡単ですが、ここを気にすると非常に奥が深いです。
「ここは残してあげたい!」
「でももう少し削ったらここがいい表情になるから少し削りたい!」
「あと○○mm削ればここもここもいい感じになるな!」
など考えながら加工しております。
もう変態ですね!
実際に加工しているときは夢中ですが、今何を考えながら製作しているか文章にすると変態ですね!
こうやって木の美しさを考えながらの製作は一瞬で時間が過ぎていきます。
厚みを揃えると耳の動きはこのような感じです。
そこから微調節をかけます。数mmのカットをかけながら合わせていきます。
L字に合わせるとこの様な感じです。
これだけの動きのあるポプラからこの動きで合わせられたのは自分でもさすがだなと思ってしまいました。
そこから研磨して合わせます。
耳だけを見ればまるでこのままだったのではないかと思わせてくれるほどです。
目には見えない部分で接続用の木を入れて接着もしています。
これでばっちりです。
L字の全体像です。
動きがあるのにある程度の範囲内に収まってくれている。
本当に優秀で美しい木です。
この角度の見え方、すごく美しいです。
レジンが入るとこの耳の部分がキラキラしますので、イメージするだけでワクワクします。
短辺もばっちりです。
正面から見える側だけではなく、反対側からも美しく見えるように意識しております。
実際に長い時間使用するのは、キッチン側に立つ奥様ですからね!
荒々しい部分なども多いですが、綺麗に仕上げていきます。
そこから型枠にはめ込みます。
計算通りバッチリです。
レジン流し込みの空間に移動して完了しております。
徹底した温度管理と虫や埃のリスクをとことん抑えた空間です。
海外だとある程度いろいろなことが許容されますが、日本人ですのでとことん突き詰めて
ジャパニーズクオリティーが実現できる様空間作りから整えております。
これからレジンを流し込み、製作を進めていきます。
非常に忙しくアップがまた遅れてしまうかもしれませんが、随時ご紹介していきます。
最近非常に多くのお問合せ頂き嬉しい限りです。
単価の高い、高品質なレジンや、時間をかけた製作していますので決して安価ではありませんが、より魅力的なレジンテーブル製作していきますのでお気軽にお問い合わせください。
よろしくお願い致します。